SMSを一斉送信する方法とメリット。アプリでも複数人に送信できる?

企業が顧客に情報を届ける手段として注目されているのが、電話番号を利用してメッセージを送信できるSMS(ショートメッセージサービス)です。 総務省が発表しているデータによると、平成30年度における携帯電話の人口普及率は114.7%となっており、1人1台以上が当たり前の世の中となっています。この携帯電話を利用して企業のプロモーションをすることで非常に高い効果が得られる可能性があるため、ビジネスでの利用も拡大しているのです。ここでは、顧客へのアプローチとしてSMS送信サービスを利用するメリットをご紹介します。

Chapter
SMSを送信するメリットは主に3つ
1. 携帯電話を持っているほとんどの人へ送信できる
2.SMSは開封率が高い
3.SMSはセキュリティ性が高い
SMS送信にはデメリットと注意点もある
1.文字数に制限がある
2.画像は送信できない
3.販促や宣伝文を送信する際は、特定電子メール法の対象となる
SMSを複数人宛てに一斉送信する方法
SMS送信サービスを利用した一斉送信
アプリを利用したSMSの一斉送信(グループチャット形式)
SMS一斉送信サービスの活用シーン&事例
督促や利用金額の案内など重要な連絡
予約のリマインドや点検日程の通知
お得なキャンペーンの案内やアンケートのお願い
災害時の緊急連絡手段として
SMS一斉送信サービスの比較ポイント3つ
1.キャリア直接接続を採用している
2.送信できる文字数が多い
3.初期費用が安い、または0円
まとめ

SMSを送信するメリットは主に3つ

1. 携帯電話を持っているほとんどの人へ送信できる

SMSは相手の携帯電話番号宛てに送信されます。受信のために特別なアプリのダウンロードなども必要ありません。SMS以外のメッセージアプリなどでは相手も同じアプリをダウンロードしていなければ送受信が行えませんが、SMSであれば携帯電話を持っているほとんどの人へ連絡することができます。

また、メールアドレスは簡単に変更できますが、電話番号はモバイルナンバーポータビリティ制度(MNP)が導入されたことで、キャリアを変更してもそのまま使用することができるようになりました。この制度により同じ電話番号を使い続ける人が多くなったため、SMSは送信失敗や未送達のリスクが低く、顧客へのアプローチ力が高いと言えるのです。その上、宛先リストの変更が少ないため、運用にかかるコスト削減や休眠顧客へのアプローチにも活用することができます。

2.SMSは開封率が高い

SMSは相手への到達率も非常に高いのが特徴です。加えて、キャリア直収設計のSMS送信サービスを利用している場合は、フィルタリングサービスによってメッセージがブロックされる可能性も低くなるためより効果的。
また、SMSはメールに比べて開封率が高くなるという結果も報告されています。20代から60代以上までの男女492人を対象として実施したアンケートでは、メールの平均未読数は約86件とSMSの約3倍という結果に。また、メールでは中身を確認せずに消去する連絡の割合が約4割と多くなっています。これは、SMSがメールに比べて送信数が少なく他のメールの中に埋もれにくいことが一因だと考えられます。(※)

SMSとメールの平均未読数 メールでは約4割の連絡が見ずに消されている

SMSでは、テキストメッセージだけでなくwebページのリンクを送信することももちろん可能です。そのため、新サービスの告知やキャンペーンページへの誘導などにも効果的に使うことができます。季節に合った商品や新製品の情報をいち早く届けたり、クーポンを配布することも可能です。キャンペーンは顧客に認知されなければ意味を成しません。到達率が高く開封率も高いSMSは、認知力アップにも高い効果を期待できます。
ただし、SMSは基本的にメールで行っていたプロモーションと全く同じことができますが、送信可能な文字数に上限があります。メッセージ内容を作成する際には注意しましょう。

※ 自社調べ(調査方法:インターネットアンケート、対象者:20代から60代以上までの男女492人)

3.SMSはセキュリティ性が高い

メールアドレスは無料でいくつでも発行でき、同じアドレスをPCとスマートフォンで共有することも可能なためとても便利。しかし、アドレスに紐づいているパスワードが流出した場合、簡単に不正ログインができるためセキュリティ面において不安が残ります。
一方で携帯電話番号は、発行時に身元確認やキャリアによる審査が必要となるため、偽装や不正取得が難しいのが特徴です。電話番号や利用者の情報が流出しても、SMSを受け取れるのは携帯電話を持っている本人のみなので、外部から不正ログインをされる可能性がかなり低いところがメリット。WEB上での本人確認時にもSMSは利用されており、信頼性の高い連絡手段といえます。
SMSのセキュリティ性については「本当に安心して使える?SMS送信サービスの信頼性について」でも詳しく解説しています。

SMS送信にはデメリットと注意点もある

1.文字数に制限がある

SMSは基本的にメールで行っていたプロモーションと全く同じことができますが、送信可能な文字数に上限があります。携帯電話間でSMSの送受信をする場合は基本的に670文字までしか送信できません。一方で、法人向けに用意されているSMSの一斉送信サービスを利用する場合は70文字しか送信できないケースも。全てのキャリアに670文字まで送信できるのは限られたサービスのみとなっています。

2.画像は送信できない

SMSではテキストメッセージのみ送信でき、画像やファイルの添付などは行えません。画像などのファイルを電話番号を利用して相手と共有したい場合は、一旦オンラインクラウド上などにファイルをアップロードして共有URLを発行し、それをSMSに入力して送信する方法などが挙げられます。また、HTMLメールのように見やすく装飾することも難しいため、督促や予約のリマインドなど通知系での連絡が特に有効です。集客や販促目的でSMSを利用する場合は、対象サイトへの流入数を増加させる目的でSMSにURLを設置するなどの活用方法もあります。

3.販促や宣伝文を送信する際は、特定電子メール法の対象となる

SMSもメールと同じく「電子メール」に分類されるため、特定電子メール法(特電法)の対象となります。適用されるのはSMSを利用して宣伝や販促を行う場合のみで、督促や予約のリマインド、工事日の連絡などの連絡であれば特定電子メール法の適用外です。特定電子メール法ではオプトインによる同意の取得と保存、オプトアウトの明記が義務化されています。
まず、オプトインとは送信相手の電話番号を受け取る際に「宣伝や販促のためにSMSを送信してもよいか」について同意を得ておくことです。一方でオプトアウトでは宣伝や販促用のSMSをいつでも受信停止したり拒否できるような体制を整える必要があります。どのように特定電子メール法に対応していけば良いのかなどは、法人向けのSMS送信サービスであれば担当者が把握しているため、あまり詳しく知らなくてもサポートを受けることができます。
特定電子メール法については「宣伝や販促でSMSを使う際の注意点は?【特定電子メール法】」でも詳しく解説しています。

SMSを複数人宛てに一斉送信する方法

SMSは電話番号に対して1件ずつ送信するものと考えられがちですが、専用サービスを利用すれば複数人宛てに一斉送信することもできます。また、厳密にはSMSと異なりますが、アプリを利用したグループチャット形式で電話番号宛てにメッセージを一斉送信することも可能です。

SMS送信サービスを利用した一斉送信

法人向けに展開されているSMS送信サービスでは、メール配信と同じような感覚でSMSの一斉送信を行えます。送信側で用意するものはインターネットに繋がるパソコンだけでOK。受信相手に新しくアプリをダウンロードしてもらう必要もありません。自社で保有している送信先リストをcsv形式のファイルなどをアップロードするだけで、宛先の一括登録も行えます。また、よく送信するメッセージはテンプレートとして登録したり、配信日時を指定して一斉送信の予約をすることも可能です。

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アプリを利用したSMSの一斉送信(グループチャット形式)

アプリを利用して複数人宛てにメッセージを送信する場合は「+メッセージ(プラスメッセージ)」というアプリを利用します。+メッセージとは、docomo・SoftBank・auの大手3キャリアが共同で開発したメッセージアプリで、送受信のためには利用者全員がダウンロードする必要があります。メッセージを送信したい相手を全て入れたグループを作成することで、電話番号しか分からない相手でも一斉送信が可能です(グループ内で発言することで、同じメッセージを複数人に共有できる)。厳密にはSMSとは違うサービスですが、電話番号宛てにメッセージを送信できるという点では共通しています。

SMS一斉送信サービスの活用シーン&事例

督促や利用金額の案内など重要な連絡

先述した通りSMSは開封率が高く内容を確認してもらいやすい連絡手段です。すでに賃貸マンションでの督促連絡としてSMSを活用している企業様も多く、コールセンターで対応していた一部業務をSMSに置き換えることで、月初5日間までの督促回収率をアップさせた事例もあります。また督促にかかる運用コストを削減できるところも、SMS活用のメリットです。

予約のリマインドや点検日程の通知

電話での予約時に相手のメールアドレスを取得するのは難しく、一方で予約前日などにリマインドのための電話を1件ずつかけるのも現実的ではありません。電話番号だけでメッセージが送信できるSMSは、飲食店や美容院、エステ、車検など、様々な分野で予約のリマインドとして活用されています。また、送信相手の連絡先として電話番号しか取得していない場合の日程連絡としても利用可能です。

お得なキャンペーンの案内やアンケートのお願い

集客や販促のための配信手段としてもSMSは利用されています。

  • クーポンの配布
  • 来店後アンケートの案内
  • お得なキャンペーンのお知らせ
  • 新着商品の紹介

メルマガでは開封率が上がらず効果が見えていない場合、そもそもの連絡手段を開封率の高いSMSに変更することで、興味を持ってくれる人数が増える可能性もアップします。

災害時の緊急連絡手段として

SMSは災害時に強い連絡手段です。緊急時の対策として電話を使った連絡網を用意している場合も多いかと思いますが、最後の人まで連絡が伝わるのに時間がかかる上に、途中で情報が欠落したり間違えられたりする可能性もあります。情報の正しさと伝達の素早さが求められる緊急時には、一斉送信で電話番号宛てにメッセージが送信できるSMSがおすすめです。

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以下の記事で、「督促」「予約のリマインド」「販売促進」「緊急連絡」での活用事例をさらに詳しくご紹介しています。

SMS一斉送信サービスの比較ポイント3つ

1.キャリア直接接続を採用している

SMSの送信方式は主に2つあります。1つ目は海外の配信事業会社を利用して国内にいる相手へ送信する「国際網接続」です。海外の回線を利用すると比較的費用を抑えられるため、大量配信を検討している場合には魅力的。ただし国内の通信事業者によってフィルタリングがかかる場合があり、到達率が低いことがデメリットです。

一方で2つ目の「キャリア直接接続」では、国内の大手キャリアと直接接続することで高い到達率が担保された経路を通じてSMSを送信できます。そのため国内顧客への到達率が高く、サービスによっては99.9%を誇っているものもあるのが特徴です(※)。SMSのメリットである開封率の高さを実現するためには、キャリア直接接続を採用しているサービスがおすすめです。

※株式会社メディア4u:メディアSMS

2.送信できる文字数が多い

携帯電話間でSMSのやり取りを行う場合は、最大で670文字まで送信することができます。しかし、SMS送信サービスを利用する場合はサービスによって文字数に違いがあるため注意が必要。auでは670文字送信できても他のキャリアでは70文字までしか送れないなど、受信する側のキャリアによって文字数が異なる場合もあります。全てのキャリアで長文SMSを送信できるサービスは限られているため、文字数に注目して比較しましょう。

3.初期費用が安い、または0円

実際に使ってみて効果を計測してから導入したい場合、各サービスが提供している無料トライアルで試してみるのも一つの手。しかしトライアルでは全ての機能が試せなかったり、期間や送信できる数が決まっているなど制限されている場合もあります。もっと長い期間に多くのSMSを送って試したいケースなどは、初期費用が0円のサービスを選ぶのも有効です。各SMS送信サービスでは料金が明記されていないことも多いのですが、初期費用については0円と謳っているサービスもあります。

SMSは情報の到達率と開封率が非常に高いのが特徴です。そのため、送ったメッセージは顧客が目にする確率も高くなっています。
顧客に情報が届く確率の高い媒体を利用してプロモーションを行えるSMSは、企業にとって導入メリットが大きいと言えるでしょう。
現在の顧客へのアプローチに満足できない・改善したいと思っているなら、SMS送信サービスを利用することも検討してみてはいかがでしょうか?

まとめ

SMSを複数人に一斉送信(グループ送信)するには?

法人向けに展開されているSMS送信サービスでは、メール配信と同じような感覚でSMSの一斉送信を行うことができます。送信側で用意するものはインターネットに繋がるパソコンだけでOK。宛先の一括登録も簡単にできます。

アプリを利用したSMSの一斉送信方法はある?

アプリを利用して複数人宛てにメッセージを送信する場合は「+メッセージ(プラスメッセージ)」というアプリを利用します。ただし送受信のためには利用者全員がダウンロードする必要があります。


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※1 デロイトトーマツミック経済研究所 ミックITリポート (2022年10月版) より

※2 受信拒否・圏外・電源オフを除く。4キャリア到達率当社検証試験の結果。

※3 2023年10月末時点(自治体含む)


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SMSnavi編集部

株式会社ファブリカコミュニケーションズ SMSnavi編集部。SMS(ショートメッセージサービス)に関する記事を執筆しています。

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