コールセンターでのIVR導入メリット&不便さを解消するための3つのポイント

コールセンターに電話をかけると、オペレーターが応対する前にIVRといわれる自動音声応答システムが作動し、問い合わせ内容に応じて電話の振り分けを行うことがあります。IVRは、問い合わせの電話が多いコールセンターで多く導入されているシステムです。この記事では、コールセンターでIVRを導入することにより得られるメリットと、IVRの不便な点を解消する方法について解説します。

Chapter
IVRとは
コールセンターでのIVR活用事例
1. コンサートなどのイベントチケットの予約受付
2. 受付ダイヤルとしての利用法
3. あふれ呼に対するコールバックの予約
4. Webサイトの会員登録時における本人認証
5. 注文があったときに店舗へ自動電話連絡
コールセンターでIVRを導入するメリット
1. AHT(平均処理時間)の短縮
2. ASA(平均応対速度)の短縮
3. SL(サービスレベル)の改善
4. 応答率の改善
5. 営業時間外にも対応が可能
6. 折り返し電話の受付
7. オペレーターの業務を効率化
8. 人件費の削減
9. 対応するオペレーターを選別できる
10. 解約を回避できる可能性
IVR対応での不便さを解消するためのポイント
1. 回答がもらえるまでに時間がかかる
2. カテゴリー分けが分かりにくい
3. 最適な担当窓口を見つけにくい場合がある
SMSとIVRの連携でもっと便利に!
あふれ呼の解消としてもSMS連携が効果的
督促でもIVRとSMSの連携を活用できる
まとめ

IVRとは

IVRとは「Interactive Voice Response」の略で、日本では「自動音声応答システム」とも呼ばれています。製品やサービスについて電話で問い合わせをすると、オペレーターにつながる前に自動音声が流れ、その音声案内に従って番号を押すことで自動音声により問い合わせへの回答を行ったり、担当オペレーターに取り次ぎしたりする仕組みです。

コールセンターではさまざまなジャンルの電話がかかってくるため、もしIVRが導入されていなければ、オペレーターは休む間もなく問い合わせ電話に対応しなければなりません。
加えてあらゆるジャンルの内容に精通していることが必要となり、電話がかかってくる度に膨大なマニュアルの中から適切な回答を瞬時に探し出さなければならなくなります。

このような受け答えができるオペレーターを育てるには多大な時間と費用が必要です。これはあまり現実的とはいえませんし、効率も良くありません。さらに、コールセンターは離職率の高さや慢性的な人手不足に悩んでいることが背景としてあります。
しかしIVRを導入すれば新人オペレーターでも対応可能なものと難易度の高いものにあらかじめ振り分けができるため、人手不足でも対応が可能になるのです。

コールセンターでのIVR活用事例

コールセンターにおけるIVRの活用事例としては、以下のようなものがあります。

1. コンサートなどのイベントチケットの予約受付

事前に想定できるユーザーからの問い合わせにはIVRが対応することで、電話がつながりにくい、待ち時間が長いというユーザーの不満を解消することが可能です。

2. 受付ダイヤルとしての利用法

資料請求や懸賞応募、病院の診療予約受付などにIVRを導入することで、オペレーターは他の業務に携わることができます。

3. あふれ呼に対するコールバックの予約

テレビの通販番組が放映された後、商品を注文するために電話をかけてくるユーザーが殺到し、電話がつながりにくくなるケースも少なくありません。
電話がつながらなければユーザーの取りこぼしになりますが、ガイダンスに従って折り返し用の電話番号を入力してもらうことでコールバックが可能となり、取りこぼしを防止できます。

4. Webサイトの会員登録時における本人認証

登録されている電話番号宛てに自動的に電話をかけ、音声案内を利用してワンタイムパスワードを伝達し、それをユーザーが入力することで完了する本人認証(IVR認証)も行えます。IDとパスワードのみの確認よりセキュリティが高いのが特徴で、SMS認証を行えないユーザー向けにIVR認証を用意する企業もあります。

5. 注文があったときに店舗へ自動電話連絡

ユーザーがWebサイトから商品を注文した際に、その内容が店舗にFaxで送信される仕組みを導入しているケースもあります。また、Faxが届いたか確認する電話を自動発信機能で行うことにより、店舗側の注文見落としを防ぐことも可能です。

コールセンターでIVRを導入するメリット

コールセンターでIVRを導入するメリットとし、下記が挙げられます。

  • AHTの短縮
  • ASAの短縮
  • SLの改善
  • 応答率の改善
  • 営業時間外の対応が可能になる
  • 折り返し電話を自動的に受け付けられる
  • オペレーター業務の効率化
  • 人件費の削減
  • 対応するオペレーターの振り分け
  • 解約の回避

1. AHT(平均処理時間)の短縮

IVRを導入することで、ユーザーの問い合わせに沿った担当窓口に電話が振り分けられます。
ユーザーの顧客情報を自動音声を利用して確認してからオペレーターに繋げることでスムーズな応対が可能となり、AHTが短縮されます。

2. ASA(平均応対速度)の短縮

1件あたりのAHTが短縮されれば、オペレーターはより短時間で次の問い合わせに対応することが可能です。その結果、オペレーターが応答するまでにかかった時間(ASA)も短縮できます。

3. SL(サービスレベル)の改善

SLとはサービスレベルのことで、設定した時間内にオペレーターが何件の応答ができたかという指標です。オペレーターにつながるまでの待ち時間が長くなるとユーザーにとってはストレスになるため、SLを改善できれば顧客満足度を上げることにもつながります。
ASAとSLを組み合わせることにより、ユーザーを待たせた時間の分析が可能です。

4. 応答率の改善

IVRの導入によって担当窓口に振り分けられた後、オペレーターにつながるまでの保留時間が長くなると、途中で電話が切れることが増え、結果として応答率が下がってしまいます。
ASAが短縮されればオペレーターは次の電話をいち早く取れるようになるため、応答率の改善にも繋がります。

5. 営業時間外にも対応が可能

IVRを導入することで宅配便など荷物の再配達受付、資料請求、キャンペーンの応募受付など、内容が定型化した問い合わせについては営業時間外でも対応が可能です。
また、ユーザー側にとっても、企業側が提示した受付時間に合わせて電話をかける必要がなく、自分の都合の良い時間に問い合わせができるため、C-SAT(顧客満足度)の改善にもつながります。

6. 折り返し電話の受付

応答できるオペレーターの数よりも問い合わせの数が多い場合、かかってきた電話を取り切れず保留状態でユーザーを待たせることになります。保留状態が長いと電話が切れてしまう可能性も高まるでしょう。
取り切れない電話に関してはIVRで折り返し電話の受付を行い、後でオペレーターよりコールバックする流れにしておくことで、待ち時間を短縮できるとともに応答率の低下も防げます

7. オペレーターの業務を効率化

コールセンターへの問い合わせは、オペレーターが対応しなければならないものと資料請求など自動対応でも問題ないものなど様々です。IVRの導入で自動化を進めれば、オペレーターが必要とされる問い合わせのみに専念することができ、業務の効率化にもつながります。

8. 人件費の削減

全ての問い合わせにオペレーターが対応する場合と比較して、コールセンター業務の一部にIVRを導入して無人化することで人件費の削減が可能になります。

9. 対応するオペレーターを選別できる

新人のオペレーターとベテランのオペレーターではスキルに違いがあります。難しい案件はベテランのオペレーターが対応するように設定し、不慣れな新人オペレーターに難しい案件が回らないようにすることで、精神的ストレスの軽減や離職率の低下が期待できます。

10. 解約を回避できる可能性

コールセンターには解約のために電話をかけてくるユーザーもいます。IVRを導入することで、スキルの高いベテランオペレーターにこうしたユーザーの対応を任せることが可能です。ユーザーが解約を決意した理由や不満な点などをベテランオペレーターが上手に聞き出し、それを上回る優位な情報を提供できれば、ユーザーの解約を回避できる可能性も出てきます。

IVR対応での不便さを解消するためのポイント

IVRの導入には多くのメリットがある一方で、「回答がもらえるまでに時間がかかる」「カテゴリーが分かりにくい」「最適な担当窓口を見つけにくい」などユーザー側で不便さを感じることもあります。このようなIVRの導入によって発生する不便さの解決策について解説します。

1. 回答がもらえるまでに時間がかかる

IVRが導入されているコールセンターへ電話をした場合、すぐにオペレーターと話すことはできません。
例えばクレジットカードの電話相談窓口のように幅広い内容の問い合わせが来ることが想定される場合、最初の音声ガイダンスで案内する選択肢も多くなり、ユーザーそれを全て聞いた上で該当する窓口を選択する必要があります。振り分けるために必要であるとはいえ、ガイダンスが長くなるとユーザーはストレスを感じる可能性が高まります。

上記の対策として、ガイダンスの途中でもボタンを押すと次のステップに進める機能を付けておくことが挙げられます。

2. カテゴリー分けが分かりにくい

カテゴリー分けがされていても、必ずしもユーザーにとって分かりやすいものであるとは限りません。その場合、ガイダンスを全部聞いてもどこを押せばよいのか分からないという事態も起こりえます。そうなれば、また最初から聞きなおしが必要ですし、人によっては面倒になって電話を切ってしまう場合があるでしょう。
カテゴリーを決める際には、過去にユーザーから来た問い合わせ内容を分析し、それに沿ったものにすることが求められます。

また、ユーザーからの問い合わせ内容も変化していく場合があるため、IVRの導入後も随時カテゴリーの見直しを行うことが必要です。加えて、選択肢を少なくすることを心がけ、一度聞いて覚えられる内容まで絞ることが大切です。
ただし1回のメッセージに含まれる選択肢を少なくするためにカテゴリーを細分化して階層を深くしすぎると、何度も選択肢を選ぶ必要があり手間が増えるため、階層もなるべく浅くシンプルにすることが求められます。

3. 最適な担当窓口を見つけにくい場合がある

担当窓口が複数に分かれている状況下では、ユーザーが問い合わせをしたい内容に対して明確な回答が得られる担当窓口にすぐ行きつくとは限りません。ユーザーが選択するカテゴリーを誤ってしまう場合や最適なカテゴリーが見つからない場合も考えられます。
ユーザーからの問い合わせをすべてIVRで対応するのではなく、オペレーターと話ができる選択肢を用意しておくことで、こうした混乱を防ぐことができます。

SMSとIVRの連携でもっと便利に!

SMSとは携帯電話の電話番号を使ってメッセージを送受信できるサービスです。
主要な連絡手段としてメールも挙げられますが、送信しても相手へ届かなかったり中身を開封してもらえないケースは少なくありません。

一方で電話番号は、MNP制度の導入によりキャリアや機種変更を行っても引き続き同じ番号を利用する人が多いのが特徴です。そのため宛先不明の未達を最小限に抑えることができます。

また2019年12月に実施した「コミュニケーションツールに関するアンケート」(※)では、メールの未読数はSMSの約3.3倍という結果になりました。開封率もSMSの方が高く、メールでは約39%の連絡が読まれずに消去されています。

SMSとメールの平均未読数 メールでは約4割の連絡が見ずに消されている

メールよりも内容を確認してもらえる可能性が高いため、特に重要な連絡にも活用しやすいところがメリットです。
ユーザーへ架電しても繋がらなかった場合、アポイントメント可能な日時をSMSで伺ったり、連絡内容の概略を送付するなども行えます。また、音声では伝えきれない情報などは、詳しい内容が書かれているURLを補足資料としてSMSで送信するのも効果的。IVRとSMSを連携させることで、オペレーターの対応が必要か、SMSでの案内メッセージで対応できる案件か振り分けも行えます。

※自社調べ(調査方法:インターネットアンケート、対象者:20代から60代以上までの男女492人)。

あふれ呼の解消としてもSMS連携が効果的

コールセンターに電話が殺到した結果、電話が取れなくなる「あふれ呼」の課題を抱えるコールセンターは少なくありません。IVRとSMSの連携は、あふれ呼の解消にも効果的です。
電話が殺到する時間帯は自動応答によりオペレーターから電話をかけ直すことを案内し、SMSでサイト案内を送信する方法があります。電話をかけると自動応答で対応し、ユーザーにとって有益な情報がSMSで配信されるため、C-SATの向上にもつながるでしょう。

督促でもIVRとSMSの連携を活用できる

この他、督促にもIVRとSMSの連携を利用できます。督促電話を何度かけてもかからない場合、IVRを利用することで電話がかからない場合は自動で再コールを行うことも可能です。
これに加えて、期日より前にSMSでリマインドメッセージを送信しておけば回収率の向上も見込めます。

まとめ

ユーザーがコールセンターに問い合わせをする内容は、オペレーターの対応が不可欠なものから自動応答で対応可能なものまで幅広くなっています。ユーザーからかかってくるすべての電話にオペレーターが対応していると、オペレーターにかかる負担が増えたり、あふれ呼が発生したりと、業務効率だけでなくユーザーの満足度も落ちてしまいます。

IVRの導入より、企業側にとっては業務の効率化を始めとしてさまざまなメリットが期待できます。また、ユーザーにとっても電話がつながりやすくなるためストレスが少なくなり、C-SATも高まる点がメリットです。

しかし、IVRの導入にはメリットだけでなくユーザーが不便に感じることもあるため、なるべくユーザーがストレスを感じないよう定期的なカテゴリーの見直しや階層構造の工夫が欠かせません。
またIVRの導入だけでは不足する面をSMSで補うことにより、コールセンター業務の可能性を広げることが期待できます。

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※1 デロイトトーマツミック経済研究所 ミックITリポート (2022年10月版) より

※2 受信拒否・圏外・電源オフを除く。4キャリア到達率当社検証試験の結果。

※3 2023年10月末時点(自治体含む)


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株式会社ファブリカコミュニケーションズ SMSnavi編集部。SMS(ショートメッセージサービス)に関する記事を執筆しています。

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