SMS送信サービスで重要視される「キャリア直接接続」とは?

SMS送信サービスの特徴について調べていると、到達率の高さとセットで「キャリア直接接続(直収設計)」が大々的にアピールされているのを見かけたことはありませんか?「キャリア直接接続」は高品質なSMSサービスである証であり、SMS送信サービス選びにおいては必須項目だと説明されることがほとんどですが、その理由はご存知でしょうか。 ここでは、「キャリア直接接続」や他のSMS送信方式との違いと、その重要性についてご紹介します。

Chapter
SMSの送信方式によって、到達率が変わる
「到達率」は、サービス選びにおいて重要なポイント
「送信元表示」にも違いが出るので注意!
「誰に送るか」を考えて送信方法を選ぼう

SMSの送信方式によって、到達率が変わる

SMS送信におけるキャリア直接接続と国際網接続の違い

電話番号を利用する連絡方法としては、顧客に直接電話するというアプローチも可能ですが、顧客の都合に合わせて内容を確認できる点を考えると、SMSは電話よりもリアクションを得やすい高品質な顧客連絡ツールであるといえます。

さらにSMSは、「キャリア直接接続」もしくは「国際網接続」という2種類の送信方式に大きく分かれています。まずは、この2つの配信方法の違いを詳しく確認してみましょう。

「キャリア直接接続」では、国内の大手キャリアと直接接続してSMS送信を行います。国内携帯電話事業者によって高い到達率が担保された経路を通してサービスを提供しているため、サービスによっては到達率99.9%を誇るものもあるなど国内顧客への到達率が高い水準で安定するのが特徴です(※)。ちなみに「キャリア直収設計」などと表記されることもありますが、これは「キャリア直接接続」の方法でSMSを送信する仕組みを設計していることを指しており、意味自体に大きな違いはありません。

これに対して「国際網接続」では、海外の配信事業会社を利用して、国際回線網を経由してから国内の顧客にSMSを送信する仕組みをとっています。海外の回線から送信されるSMSは送信単価が比較的安いため、運用にかかる費用を抑えられるというメリットがあり、大量配信を検討している場合には魅力的です。一方で、国内の通信事業者によってフィルタリングがかかってしまう場合があり、到達率は「キャリア直接接続」のサービスに比べると低くなります。 また、 両方の接続方式を使った「一部直接接続」のサービスもあります。その名の通り国内キャリアと国際回線の両方を利用する送信方法で、業者によりどの国・地域に対する送信に強いかが異なります。

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「到達率」は、サービス選びにおいて重要なポイント

SMS送信サービスを選ぶ際は、「実際に顧客に届くメッセージの割合」が最も重要かつ基本的なポイントとなります。そのため、業者の提供するサービスのクオリティを計る指標として「SMSの到達率」が重視されます。表面上では送信にかかる費用が安く見えても、実際に顧客に届いていなければ意味がないためです。

「キャリア直接接続」のSMS送信サービスは、国内の主要キャリアと直接接続するので、最短・最速で大量のSMSを送信することができます。さらに、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)が手軽にできるようになったことで、一度取得した電話番号が変更されることもほとんどなくなりました。そのため、大手キャリアへの直接接続は顧客との顧客との長期的で安定したコンタクトが行える送信方式と言えます。 一方、「国際網接続」で送信されるSMSは「国際SMS」と呼ばれることがあります。国際SMSは送信元が特定しにくい特性を持っており、迷惑SMSの大量配信や有名企業を騙った詐欺SMSがかつて横行した際に話題になりました。そのため、国内主要キャリアでは「国際SMS」の受信拒否を設定できるようになっており、「国際網接続」のSMSの到達率が下がる原因となっています。

このような背景から、到達率が高く、より安全にSMSを送信できる「キャリア直接接続」のSMS送信サービスを選ぶのが基本的にはオススメです。

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「送信元表示」にも違いが出るので注意!

SMSの送信元表示も「キャリア直接接続」と「国際網接続」で異なります。
キャリア直接接続では送信元表示は電話番号のみで、英数字などの表示に変更することができません。ただ、送信先のユーザーの電話帳に登録してある電話番号で送った場合は電話帳の登録名で表示されます。
対して国際網接続では任意の英数字を表示することができます。SMSの仕様上、送信元表示が名前のような扱いになるため、英数字表示を希望して国際網接続を選ぶ方も多いです。

しかし、注意が必要なのは国際網接続ではなりすましが簡単にできてしまう点です。任意の英数字を設定できるため、名前を他のサービスにかぶせて信頼感を持たせて詐欺サイトに誘導する架空請求に使われる恐れがあります。その点キャリア直収接続では電話番号をそのまま表示しているため電話番号が重複することがなく、なりすましのリスクを抑えることができます。
こういった面でも「キャリア直収接続」がおすすめです。

「誰に送るか」を考えて送信方法を選ぼう

ただし、SMS送信方法が「国際網接続」のサービスだからといって、一概に品質がすこぶる悪いというわけではありません。海外のサービス事業者は日本よりも長い期間SMSに携わってきた実績があり、日本国内で広く採用されている海外系のSMS送信サービスももちろん存在します。また、日本国外の地域の顧客にもSMSを送信したいという用途であれば、国際回線網への接続体制が整っている「国際網接続」のSMS送信サービスが適している場合もあります。 その一方で、到達率に焦点を当てると「キャリア直接接続」のSMSよりもどうしても劣る、という面を理解し、導入を考えることが必要です。

自社のターゲットが国内在住の顧客中心の場合や、シンプルで分かりやすい操作感を求める場合、また顧客の手元に情報が届く確率の高さを重要視するならば、やはり「キャリア直接接続」のサービスを利用するのが安心と言えるでしょう。

SMS送信サービスの利用を検討するとき、基本的には最重要となるポイントは「到達率」です。まず届かなければ、読んでもらうこともコンタクトをとることもできません。高い到達率を求めるなら、「キャリア直接接続」のSMS送信サービスを提供している業者を選びましょう。 ただし、キャリア直接接続に対応しているSMS送信サービスは数多くあるため、送信方法のみで単純にサービスを選ぶことは難しいものです。より細かい内容や他の機能も確認・比較して、適切なサービスを絞り込んでいく必要があります。 SMS到達率が何%かなど、細かな情報をWebサイト上には明記していないサービスも多いため、まずは資料請求を行い詳細な情報を得たうえで導入検討・確認を行うのがオススメです。

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※1 デロイトトーマツミック経済研究所 ミックITリポート (2022年10月版) より

※2 受信拒否・圏外・電源オフを除く。4キャリア到達率当社検証試験の結果。

※3 2023年10月末時点(自治体含む)


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SMSnavi編集部

株式会社ファブリカコミュニケーションズ SMSnavi編集部。SMS(ショートメッセージサービス)に関する記事を執筆しています。

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