IVRとは?基本的な内容と活用シーン【不満を解消するための5つのポイント】

IVR(自動音声応答システム)が活用されるシーンが増えてきました。IVRを導入すれば、電話受付業務の効率化とコスト削減ができて便利な反面、利用者にとっては不満が発生するケースもあります。この記事では、IVRの概要と導入のメリット、IVRで発生する顧客の不満を解消するためのポイントまで詳しく解説します。

Chapter
IVRの概要と活用シーン
1. 企業のコールセンター
2. 宅配の再配達受付サービス
3. 地域の災害情報の発信
4. テレホンバンキング
5. 携帯電話・スマホの留守番電話サービス
IVRの活用でできること
受付担当のオペレーターが不要になる
オペレーターのスキル別に用件を振り分ける(スキルベースルーティング機能)
自動化できる用件はオペレーターにつながずに対応できる
折り返し電話連絡の受付が可能(コールバック機能)
営業時間外の対応
アンケート調査
IVRの導入する企業側のメリット
1. 対応件数のアップと顧客満足度の向上
2. オペレーターの人数削減
3. オペレーターの離職率低減
IVRの導入する利用者側のメリット
1. つながりやすく待ち時間が少ない
2. 適切なオペレーターに直接つながる
3. 受付時間を気にせずに連絡できる
IVR導入で不満発生?導入時に注意すべき5つのポイント
利用者が不満を感じる理由
利用者の不満を解消するための5つのポイント

IVRの概要と活用シーン

IVRとは英語の「Interactive Voice Response」の頭文字からなる略語です。日本語では自動音声応答システムと呼ばれています。

IVRの主な機能は、かかってきた電話にコンピューターが自動で応対し、利用者の用件に応じてメッセージを再生したり、適切な部署やオペレーターに電話を転送したりすることです。
例えば、企業のコールセンターに電話すると「資料のご請求は1、商品に関する質問は2、故障や修理のご相談は3を押してください」といった音声メッセージが再生されます。これがIVRです。

この音声メッセージに従ってプッシュボタンを操作していくと、適切な部署やオペレーターにつながります。資料請求のように定型的な業務であれば、オペレーターを介さずに自動で処理することも可能です。
従来であれば受付担当のオペレーターが用件を聞き、内容によって電話を転送していた部分は全てIVRによって自動化できます。

IVRの導入によってオペレーターの負荷を減らすことができるため、業務の効率化や人件費を削減できるところがメリットです。また、顧客の電話の待ち時間を短縮し、営業時間外でも対応できることから、顧客満足度の向上にも役立ちます。

このように便利なIVRは、以下のような様々なシーンで活用されています。

1. 企業のコールセンター

IVRの活用シーンで最も代表的なものは「企業のコールセンター」です。
コールセンターは慢性的な人手不足が課題。特に顧客からの問い合わせやクレーム対応が多いコールセンターでは、オペレーターの確保や人件費削減のためにIVRを導入する企業が増えています。

2. 宅配の再配達受付サービス

一般的に馴染みがあるものとしては「宅配便の再配達受付サービス」が挙げられます。
留守で荷物を受け取れなかった場合、専用ダイヤルへ電話して荷物の問い合わせ番号と再配達の希望日時を入力することで、自動で再配達依頼ができるサービスです。

利用者側は担当者との会話が必要ないので気軽に電話でき、宅配会社側は電話の応対や配達担当者への連絡の手間が省ける点が大きなメリットです。

3. 地域の災害情報の発信

IVRは「地域の災害情報の発信」にも利用されています。
大雨や台風、地震などの災害が発生すると、各自治体の問い合わせ窓口には電話が殺到し、対応が困難な状況に陥ることがあります。しかしIVRを導入していれば、災害情報の発信を自動化でき24時間対応可能です。

電話が通じれば情報を得られるため停電でも利用できる場合が多く、災害時には有用な情報伝達手段となります。

4. テレホンバンキング

以前から利用されているものに銀行による「テレホンバンキング」があります。
今ではWebを利用したネットバンキングの利用者が多くなっていますが、テレホンバンキングでも銀行へ行かずに電話で残高照会や入出金明細の確認、振込が可能です。

5. 携帯電話・スマホの留守番電話サービス

「携帯・スマホの留守番電話サービス」も以前からあるIVRのひとつです。
電話に出られないときや、圏外にいるときでも、電話を受けてメッセージを保存しておくことができます。自分が都合の良い時間や、電波圏内にいるときにメッセージの確認ができるので、携帯・スマホの利用者で利用している人は多いでしょう。

IVRの活用でできること

IVRは「自動着信」「音声メッセージの再生」「入力番号の取得」「振分け転送」「音声録音」などの機能で構成されています。これらの機能を組み合わせることで、以下のような効果や作業の自動化を実現できるのです。

受付担当のオペレーターが不要になる

IVRを導入していないコールセンターでは、利用者の問い合わせに一人のオペレーターがすべて対応するのは難しいため、受付担当のオペレーターがまず電話を受け、用件の内容によって専門のオペレーターに振り分けるのが一般的です。
一方でIVRを導入すれば、この一次振り分けが自動で行われるため、受付担当オペレーター分のコストを削減できます

オペレーターのスキル別に用件を振り分ける(スキルベースルーティング機能)

利用者の用件によって、専門のオペレーターに振り分ける機能を利用して、オペレーターのスキルに合わせて電話を振り分けることも可能です。
例えば、商品に関する一般的な質問であれば新人のオペレーターに優先的につなぎ、故障や修理の相談など技術的な知識や難しい判断が必要な場合はベテランのオペレーターに優先的につなぐといったことができます。

用件の難易度は、音声メッセージで流すメニューの内容で決められるので、メニューの工夫次第で、さまざまな振り分け方法が考えられます。

自動化できる用件はオペレーターにつながずに対応できる

IVRを導入すれば自動で対応できる用件は、オペレーターにつながずに処理できるようになります。
例えば頻繁にある問い合わせ(営業時間、道案内など)は、あらかじめ案内メッセージを用意しておけば自動で対応できる業務です。電話番号を宛先にしてメッセージを送信できるSMSと連携し、関連情報が掲載されたURLを送ることもできます。

折り返し電話連絡の受付が可能(コールバック機能)

IVRには利用者を待たせないように、折り返し電話連絡機能が備わっています。
まず、利用者の待ち時間が一定時間を経過した場合、折り返し電話連絡受付へ案内。その後、利用者が折り返し先の電話番号や希望日時を入力し、オペレーター対応の予約受付を行います。時間になったらオペレーターから電話をかけて対応するという仕組みです。

コールバック機能を利用して利用者の待ち時間を極力減らすことで満足度の向上が期待できます。

営業時間外の対応

IVRを導入すれば営業時間外でも対応可能です。自動化できる用件であれば、24時間365日対応できるようになります。オペレーターの対応が必要な用件は引き続き営業時間内のままですが、前述したコールバック機能を利用することで受付作業だけ済ませておくことも可能です。

アンケート調査

音声ガイダンスで質問を流し、プッシュ番号の入力で回答してもらうことでアンケート調査として活用できます。用件対応後のCSアンケート(顧客満足度調査)に利用されることも多く、「役に立った」「役に立たなかった」など、オペレーターには回答しにくい内容でも、番号の入力だけで回答できるというメリットがあります。

IVRの導入する企業側のメリット

業務の効率化と人件費の削減が企業側での主なメリットです。具体的には以下の3点が挙げられます。

1. 対応件数のアップと顧客満足度の向上

IVRを導入すれば営業時間外でも対応可能になり、自動化できる業務が多くなるので、問い合わせの対応件数がアップします。また、営業時間内の問い合わせを軽減させ利用者の要求へ迅速に対応できるようになるため、顧客満足度の向上も期待できるのがメリットです。

2. オペレーターの人数削減

IVRの導入により一次振り分けを自動化したり、自動化できる用件をIVRに任せることでオペレーターの負荷を減らすことができます。これによりコールセンターの人員削減にも繋げられます。

3. オペレーターの離職率低減

IVRのスキルベースルーティング機能により、新人オペレーターには難易度が低い用件を中心に対応させることが可能です。反対にベテランオペレーターには難易度の高い用件に対応させ、業務全体の効率化が図れます。
このようにオペレーター全体の精神的ストレスを和らげることで離職率の低減も期待できます。

IVRの導入する利用者側のメリット

IVRの導入は企業側のメリットのほうが大きいですが、利用者側にも以下のようなメリットがあります。

1. つながりやすく待ち時間が少ない

IVRが導入されていればコンピューターが自動着信するため、電話がつながりやすくなります。担当のオペレーターが空いていない場合でも、コールバック機能が利用できれば、折り返しの電話連絡を待てば良いので、無駄な待ち時間もなくなるところがメリットです。

2. 適切なオペレーターに直接つながる

自動で再生されるメッセージにしたがって番号を入力していくだけで担当オペレーターに直接つながるため、利用者は用件の内容を繰り返さなくて済みます。
IVRが導入されていない場合、まず受付担当のオペレーターに用件を伝えて、転送されたオペレーターに再び用件を伝えなければなりません。何度も同じ説明をしなくて済むため、利用者の手間が省けます。

3. 受付時間を気にせずに連絡できる

営業時間を気にせずに気軽に連絡できる点も利用者側のメリットです。自動化できる用件なら、営業時間外でも対応してもらえるメリットもあります。

IVR導入で不満発生?導入時に注意すべき5つのポイント

先述したとおり、IVRの導入は企業側だけでなく利用者側にもメリットがあります。しかし、利用者の視点を考慮しないで運用すると顧客満足度が低下してしまうことも。では、利用者はどのような点に不満を感じるのでしょうか。

利用者が不満を感じる理由

利用者が不満を感じる主な理由は、以下の3つの状況が挙げられます。まず1つ目に「メニューの選択肢が多すぎる」場合です。メニューの選択肢が多いと覚えられず、音声ガイダンスを何度も聞き返さなければなりません。担当オペレーターにつながるまでに時間がかかり、顧客満足度の低下に繋がります。

2つ目は「用件に合う選択肢がない」場合です。自分の用件に合う選択肢がないと、どうすれば良いのかわかりません。選択肢の内容がわかりにくい場合も同様です。このような場合は、途中で電話を切ってしまうことが多くなります。

3つ目は「オペレーターにつながるまでに時間がかかる」場合です。業務の自動化を図るべくメニューの選択肢や階層を増やすと、オペレーターに到達するまでに時間がかかってしまいます。これでは早くオペレーターと話したい利用者の不満は増大するばかりです。

利用者の不満を解消するための5つのポイント

上記のような利用者の不満を解消するには、以下の点に注意する必要があります。

1.音声メッセージは短く
まず、音声メッセージは短く簡潔に伝えることが重要です。利用者の不満を解消するには、オペレーターにつながるまでの時間がなるべく短くなるように考慮しなければなりません。そのためには、1回ごとのメッセージを短く、わかりやすい言葉でまとめましょう。

2.メニュー構成はシンプルに
メニューの選択肢が多く、階層が多いと利用者が不満を感じやすくなります。メニューの選択肢は一度に覚えられる数に抑えるのが基本です。 そのため1回のメッセージにつき選択肢は3~4つ程度、メニューの階層も深くならないよう注意し、シンプルで分かりやすい構成を優先に考えましょう。

3.「オペレーターと話す」を選択肢に入れる
どうしてもメニューの階層が深くなってしまう場合は、1回ごとのメッセージにおける選択肢の最後に「オペレーターと話す」を入れておくと良いでしょう。階層の最後までメッセージを聞かずに済むため、なかなかオペレーターにつながらないという不満が起こりにくくなります。

4.メニュー構成は定期的に見直す
音声メッセージのメニュー構成は一度作成したら終わりではありません。問い合わせの傾向や変化に応じて、定期的に見直すことも重要です。
「オペレーターと話す」の選択頻度が多い場合は、メニュー構成に問題がある可能性があります。実際に電話対応するオペレーターや外部の意見も取り入れて、最適なメニュー構成になるようにメンテナンスしていきましょう。

5.利用者視点を優先する
メニュー構成を考える場合は、企業側の都合ではなく利用者の視点を優先すべきです。利用者の不満を解消するにはこれが一番重要なポイントです。

IVRを導入することで対応を自動化でき、対応件数の増加や業務効率アップ、さらには人件費の削減も見込めます。ユーザーにとっても問い合わせ時間の縛りがなくなる上、無駄な待ち時間が少なくなるメリットがあります。
一方で、ただIVRを導入するだけでは意味がありません。定期的なメニュー構成の見直しや、ユーザーに寄り添った内容の設計が必要不可欠。IVRによって得た問い合わせデータなどを活用して、対応の質を向上させる顧客満足度を向上するための運用も大切です。

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※3 2023年10月末時点(自治体含む)


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