病院経営で注目すべき初診率一覧と再診率をアップさせる施策について

総患者数を増やしたい場合、特に注目すべきは初診率です。厚生労働省が平成29年に行った「医療施設調査」によると、一般診療所における平均初診率は約14.3%。初診率が平均よりも高い場合は、再診率を上げる施策を遂行した方が良いといえます。ただし、平均初診率は診療科目によって差があるため注意が必要。この記事では、各診療科目の平均初診率と再診率アップのための施策について解説していきます。

一般診療所における各診療科目別の平均初診率一覧

(単位:千人) 外来患者延べ人数 初診患者数 初診率
内科 28,031 3,289 11.7%
小児科 3,163 778 24.6%
皮膚科 2,797 670 24.0%
精神科 2,311 86 3.7%
耳鼻いんこう科 2,517 652 25.9%
外科 2,460 237 9.6%
整形外科 14,723 1,348 9.2%
産婦人科 906 126 13.9%
眼科 434 75 17.3%
歯科 87 15 17.2%

上記の表は、厚生労働省が平成29年に行った「医療施設調査」に基づいて平均初診率を算出したものです。 初診率を比較すると、精神科や整形外科は低く、小児科や皮膚科、耳鼻いんこう科は比較的高い傾向が見られます。 特に、初診率の高い診療科目では患者の取り合いが激しいところもあるでしょう。 来院を促進するため駅や街中へ広告を出したり、周辺地域へのポスティングやDM送付などの施策を行っているクリックも多くあります。 しかしこれらの施策を行っても一向に総患者数が増えないという場合は、自院の初診率の確認が必要。 上記の表にある平均値よりも初診率が高い場合は、再診患者を増やす施策を重点的に進めていくことが大切です。 それでは、どのように再診率を高めていけば良いのでしょうか?

再来院の重要性を理解してもらい、次回来院日時を決める

まず初めに重要なのが、再来院の重要性を説明することです。 来院後に症状が回復した場合、もう一度病院へ行く必要はないと考える方は多くいらっしゃいます。 検査結果や治療方針を説明して納得感を与え、次回来院の理由を理解してもらうことが大切です。

2つの施策として、次回の来院日時を決める方法が挙げられます。 予約制を採用していない医院でも「4週間後の13時に予約を入れておきますね」と診察時などに伝えることで再診率の向上を見込めます。 しかし、ここで注意点が1つ。 予約日時を口頭で伝えるだけでは当日までに忘れられる可能性も高く、無断キャンセルが発生しやすい状況です。 クリニックによっては予約日時が記載された紙を渡している場合もありますが、次回来院予定日まで間がある場合は紙を紛失したり内容を失念する可能性もあります。 せっかく予約制度を導入したり、その時間を空けたりしても無断キャンセルが多発するのでは意味がありません。 このような無断キャンセルを防ぐためには、前日などに予約のリマインドを行うことが効果的なのですが、このリマインドはどのように行えば良いのでしょうか?

初回カルテ作成時に電話番号などの記入欄を設けている場合、その連絡先を使用するのも1つの方法。 こ懸念点としては、1件ずつ電話をかけるのにとても時間がかかるということが挙げられます。 例えば次の日の予約が30件で1件の電話に3分かかる場合、全員分のリマインドには1時間30分必要。 これはあまり現実的ではありません。 リマインドを効率の良く行うためには、1回で対象者全員へ連絡できる一斉送信が有効です。 例えば、次の日に来院予定の方の連絡先情報と予約時間を抽出し、「○○クリニックです。明日の△時より診察予約を承っております。 キャンセル・日時変更の場合はお電話にてご連絡ください」などメールで一斉送信を行えば、手軽に相手へリマインドできます。 またリマインド用のテンプレートを作成しておくことで、2回目以降の連絡内容の作成工数を省略することも可能です。

予約リマインド送る前に確認すべき注意点

一斉送信でリマインドする際に気をつけていただきたい点が2つあります。 まずはメールアドレスを取得しているかどうか。 カルテ作成時などにメールアドレスを取得していない場合、当然ながら一斉送信はできません。 これから取得するか、現在取得している他の連絡方法で一斉送信を考えるかの2択になります。 2つ目に気をつけたい点はメールの開封率です。 2019年12月に実施した「コミュニケーションツールに関するアンケート」(※)では、メールの平均未読数は86件という結果が報告されており、内容を確認しきれずに多くの連絡が溜まっているとが考えられます。 また、内容を確認せずに消去する割合も39%と高く、開封せずに捨てられてしまう可能性を否めません。

メールの未読数はSMSの約3.3倍 メールでは約4割の連絡が見ずに消されている

一方でSMSに注目すると、平均未読数は26件と少なく、内容を確認せずに消去する割合も13%とメールの1/3となっています。 このSMS(ショートメッセージサービス)とは、電話番号を使用してテキストメッセージを送信できる連絡手段です。 送信できる範囲はスマートフォンやガラケー、らくらくホンなど幅広くカバーしているのが特徴。 携帯電話番号さえ分かれば誰にでもメッセージを送信することができます。 また、SMSは「携帯からしか送信できない」「一斉送信ができない」「1回で送信できる文字数が70文字程度と少ない」というネガティブなイメージをお持ちの方も多いのですが、これらは間違い。 全て法人向けSMS送信サービスを利用することで解決できます。

法人向けのSMS送信サービスであればPCから簡単にSMSを一斉送信でき、送信内容のテンプレート作成や配信日時予約などメルマガと同じように利用することが可能です。 加えて、サービスによっては最大670文字までの長文SMSを送信できるものもあります。 ただし、送信先のキャリアによってはSMSの長文化に対応していないものもあるため、サービスを選ぶ際に確認しておくことが必要です。

※ 自社調べ(調査方法:インターネットアンケート、対象者:20代から60代以上までの男女492人)。

医院の総患者数を増やすためには初診率の算出が大切。 診療科目ごとの平均値と比較し、自院の方が高い場合は再診患者を増やすための施策を行いましょう。 有効な施策として来院時に次回来院日時を決めておくなどが挙げられますが、忘れられて当日キャンセルが発生する可能性があるのが懸念点。 これは予約のリマインドで防ぐことができますが、連絡手段によっては手間がかかったり開封率があまり高くないものもあります。 SMSであれば電話番号を利用してテキストメッセージを送信でき、予約内容を確認してもらえる可能性も高いためおすすめです。